裸足の季節:感想【因習的な価値観が少女を殺す】

 

裸足の季節:飲み込まれていく恐怖に気付いた時

映画の原題は「MUSTANG」野生の馬。
自由奔放に育った5人姉妹が、小さな村の古い因習により未来を閉ざされる。
そんなもんだろうから仕方ないと思う姉。
こっそりと自分の好きな男を作り、幸せを手にした姉。
私はどうすれば?

10代で知らない男と結婚する。
それまでは絶対に処女じゃないといけない。
華やかな服は禁止
パソコンは禁止
男と喋るのなんてもちろん禁止

そうしないと娘の価値が下がるから。

はるか都会のイスタンブールに行けば自由が手に入る。
そのくらい「緩やかに窒息させられてる」女性が世界にはどのくらいいるんだろう。

 

裸足の季節:ヴァージンスーサイズのゆるふわはない

美しい姉妹が現実に直面する。そこで起きる「自殺」という甘く美しいおとぎ話を書き上げた映画に「ヴァージンスーサイズ」がある。
あの映画の彼女たちは、よくわからないものへの苛立ちや恐怖を飲み込む。

でもこの「裸足の季節」の姉妹が戦うのは「自由を奪われる田舎での常識」。はっきりとわかってる。

両親を失い、祖母と叔父に育てられる5人姉妹。
それだけで辛く悲しい、しかもエロティックな香りがする。

彼女たちは薄い服で、輝く体を見せつける。
日差しの中で弾ける。
サッカー場で飛び跳ねる。

美しい5人姉妹が、牢獄のような部屋で外を見つめる。
汚いスリッパで逃げ出した末っ子は、遠くに見える海を見る。

小さな冒険、なんていう生半可なことではない。命をかけた逃亡だ。

 

裸足の季節:生きたいように生きる。

冒頭の海でのシーンの香り高さ。
肉体美は、肉体の動きから生まれる。

徐々に自由を奪われ、缶入りのクッキーと引き換えに「良妻賢母」になる以外の道を閉ざされる。
少女たちを嫁に出す祖母や村の人にとってはそれは当たり前のことで、少女は慎ましく生き、主人を支えるのが人生。

自分もそうしてきたから。
他の選択肢を知らないから。
自分が不幸だとは思わないから。

生きたいように生きる。それが許されない。
この映画のような「トルコの田舎」でなくても、この日本でもそうじゃないかな。

売られるように嫁に行く、というわけではないにしても

生まれた町を出ない(でられない)
学校に行けない
自由は与えられる範囲で

そんな日常は、そばにない?

 

裸足の季節:女性監督ならではの強引なフェミニズム

TVから流れる「女は慎ましくあれ」や、「フェミニズムなんて最悪」という空気感。
トルコ出身の女性監督デニズ・ガムゼ・エルギュヴェンが肌で感じる圧力なんだろう。
フェミニズムべったりの映画はつまんないけど
自由のために戦う人は男であれ女であれ応援したくなるもんだ。

幾つかの美しいシーンと。
残忍な笑顔と。
見えるけど手に届かなかった世界。
糞色の服(笑)

すらりと伸びた手足が掴もうとした夢についての物語。
非常に重苦しくもあり、ラストの爽快感は少ないけど。

 

末っ子のギュネシ・シェンソイ。
すごくいい。

 

【610号室】映画見聞録~映画が大好き~2017





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