牯嶺街少年殺人事件【映画はこの世界と同じように光と影でできている】

牯嶺街少年殺人事件:第二次世界大戦後の中国と台湾の歴史的なバックボーンを知っていた方がより、深く観れるのは確かだけれど

映画はフィクションのふりをして、教科書では学べない史実を教えてくれる。
でも、そんなものに興味なくても大丈夫。

圧倒的な四時間。

人生、どのくらいの時間を生きるのかはわからないけど、その中のたった四時間。
観た後と見る前では、世界が変わってるんじゃないかと思うくらいだ。

 


1960年代初頭の台北。
建国高校昼間部の受験に失敗して夜間部に通う小四(シャオスー)。(この受験の失敗も本当なのか?無意識の意識なのか僕にはわからなかった)

不良グループ〝小公園“に属する王茂(ワンマオ)や飛機(フェイジー)らといつもつるんでいた。そばにあるのはエルビスのロックンロール。
バンドとレコードと女の子。

おとなしい小四の醸し出す「疎外感一歩手前」なムードが素晴らしい。

小四はある日、怪我をした小明(シャオミン)という少女と保健室で知り合う。
femme fataleの登場だ。
彼女は小公園のボス、ハニーの女。
彼女対立するグループ〝217”のボスと奪いあい、ハニーは相手を殺して姿を消している。

ボス不在の小公園は、父親の権力を笠に着た滑頭(ホアトウ)が幅を利かせている。

小明への淡い恋心を抱く小四だったが、あるコンサートの夜、ハニーが突然戻ってきた。
グループ同士の対立は激しさを増し、小四たちを巻き込んで血が流れていく。

目の前で死んでいく人間。
でも小四に見えているのは小明だけ。

生きるために多くの男のそばに身を隠す小明に小四は言う。

「僕は君の希望でありたい」


 

僕の生涯第1位「汚れた血」と第2位の「ゴッドファーザー(シリーズ)」を足して二で割らない映画。それが「牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件」。

いろんな大人の事情からか、ソフト化されず。
大昔に見たVHSの映像のかけらが頭の中にこびりついている。
そのシーンの再発見もあり、でも知らなかった?忘れてしまった?も盛りだくさん。

 

牯嶺街少年殺人事件:ボーイミーツガール@台湾

いろんな事情や時代背景は無視したとしても、この映画が見せてくる感情はストレートに胸に迫る。
男の子が、女の子と出会う。
世界はいつもそこから動き始める。

疾走

怒り

死と裏切り

ロックンロール

僕は君を僕のものにしたい、という欲求と、君を幸せにしたいのに、という歯がゆさ。
自己と愛すべき他社の間でもがき苦しむ。

 

初めて観たときは「地味な女の子やなぁ〜」と思ってた。
でも今度のデジタルリマスター版の小明(シャオミン)の美しさと生々しさにびっくりする。主役の小四(シャオスー)は、重要な映画にしか出ないのでは?思える「チャン・チェン」。

ただそこにいるだけで、世界をかっさらっていく。
彼は本当に何もしない。
ただ世界にポツンといるだけ。最後の瞬間を除いては。

 

牯嶺街少年殺人事件:新人キャスト、スタッフばかりの新しい映画が21世紀のスタンダードになる

物語を語るためには「映像」と「音楽」が必要。
牯嶺街少年殺人事件は「物語の撮り方」の教科書だ。
無駄なカメラの動きはなく、整理された同船の中で生き生きと動く若者たち。

本当にとなりで生きているかのような「風景のような人物」たち。

 

暗い闇

まばゆい光

揺れるカーテン

ブラスバンド

保健室

演習場

ビリヤード場

 

アジア映画ならではの親近感で、この事件がまるで「友人たちのおこしたもの」のように感じる。

この相関図を見ると、かなりの数の登場人物。
でも、それぞれがまるで何年も知ってるかのような気持ち。

親戚のおじちゃんのような気持ち(笑)

小さくて男気のあるリトルプレスリーこと小猫王「王茂」。彼の可愛らしさといったら!

プレスリーに憧れ、一生懸命英語の歌詞を覚え、
お立ち台にのって、少年らしいソプラノで歌う姿は印象的。

ラスト近くの「今夜はひとりかい?」で涙腺は3度目の崩壊(笑)

この「Why」も。素晴らしすぎる。

 

 

恋愛も、暴力も、大人たちも。
全てのパーツが神がかったバランスの良さで並べらえた傑作。

四時間の映画、なかなか観に行くのは難しいかもしれないから、ぜひDVDやブルーレイの発売を!

 

今回のデジタルリマスターはマーティンスコセッシの会社によるものらしい。
彼は本当に素晴らしい仕事をした。

 

公式サイトのリンク

 

あと、きっとこの映画もクーリンチェの子供達だと思う。
>>>共犯

 





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