広島第二県女二年西組:劇団誠【生き延びたことを申し訳ないと思う人がいる】

広島第二県女二年西組:もう誰も犬死にさせないために

知人の井口君の立ち上げたアマチュア劇団「劇団誠」の公演を見に行った。
ものすごく暑い日。8月5日。
広島に原子爆弾が落とされた日の、前日だ。

お話の概要は、強制疎開地の後片付け作業をしていた中学一、二年の年若い少年、少女たちが原子爆弾投下に会い、惨たらしい死をとげた。
たった一人、その日体調を崩して欠席した生徒が一人いた。

その人は「生きていることを、すいません」と語る。

詳しい内容は本も発売されているので読んでみるのが一番いいと思う。

原爆が投下され、人の姿でなくなった人たちが死ぬまでの数日間の記録を、その両親や関係者に取材した文章が、淡々と語られる。

  • 日本は神の国だから戦争には勝つ
  • 朝鮮人は文化的な日本人に統合され幸せだ
  • 戦争をすることが領土を広げ、生活が豊かになる最良の方法
  • アジアの西洋列国の植民地化させないための聖戦
  • 戦争で死ねば靖国神社に祀られ神様になれる
  • お国のために死ぬのは名誉なこと

そういう教育のとも、食べたり、笑ったり、遊んだりせずに、必死に働く子供達が、一瞬にして、消えた。

それは違う、数日の時間をかけて、苦しみながら、発狂しながら、体にウジが湧きながら死んだ。

  • 避けて通りたい歴史
  • 直視したくない歴史
  • 過去は捨てて、前を向いたいという気持ち

戦争を「過去」にして、新しい世界を作る。
それは一見、正しいことのようにする。

 

戦争は悲惨だ。でも、

  • 狂った人たちが攻めてきたら?
  • 世界で苦しんでる人がいたら?
  • この国の平和を乱すものがいたら?

戦わねばなるまい。
戦争はなるべく避けたいけど、侵略されっぱなしで済むものか。
我が祖国を守るために。
先の大戦で死んだ人たちのために我々が国を守らなければ。

 

 

断じて違う。

戦争で死んだすべての人たちは「犬死」だ。
お国のために戦ったから、今の僕らのために戦ったから、救われる。そんなことはない。
子供や親や兄弟や恋人や友人を戦争で失った人は、「怒り」をどこにぶつけたらいいのか。

自分の人生を奪われ、国家に殺された人は犬死だ。
もう、たった一人も犬死する人を作ってはいけない。

 

広島第二県女二年西組:市民劇団という喜び

今、私たちは生きて、やりたいと思ったことに挑戦することができる。
この市民劇団もそうだ。

小学生・ティーンエイジャーから、かなりのご年配の戦争経験者までステージに並んで朗読する人たちを、一番前の席で見た。

そりゃ、プロの役者と比べれば「うまさ」は比にならないかもしれない。
でもこんなに広い年齢層の人たちが一緒に何かを作り上げ、公演をする。
それこそが自由だ。
テクニックを持とうが持つまいが、誰だって、なんだってできる。
そのことを見せつけられた。

 

センターに立っていた牧野さんの瞳の輝きや、ご高齢の演者(シルバーパンサーという高齢者市民劇団の団員)の溢れ出る感情。
それが「攻めすぎることなく」ゆったりとした浸透圧を持って観客席に流れてくる。
声高に「戦争反対!」というアジテートをするわけでなく、身の回りで起きたことを描写してゆく。

語られるのは見たくも聞きたくもない悲惨な光景なのだけど、そこには「演じること・ステージに立って表現することの喜び」が輝いていた。

朗読劇を見た私たちは「過去のつらさ」と「今を生きる喜び」とを同時に見ることができた。

 

忘れてはいけないことは二つだ

  1. 悲惨で悲しい、理不尽なことを避けること
  2. 今を生きる情熱と、自由な発想と挑戦すること

この二つを体現する、とても有意義な2時間弱だった。

 

終演後、外に出ると、蒸し暑い夕焼け空。
目の前の小学校では夏祭りが開催されていて、浴衣を着た子供達が走っていた。

 

【609号室】ガーリーおじさんはまったく役に立たない2017





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