【映画】『エル ELLE』 タフな彼女の変態ムービー

映画からなかなか遠い生活を送る、出不精で財布のひもが固い私。

こないだ、友だちが『シン・ゴジラ』のDVDを貸してくれたのがきっかけで、
1年ぶりくらいに映画作品というものを見た。家で、夫と。

すごく面白く見られたので、
(ハセヒロは日本の宝!)

2時間超の映像をぶっ続けで挑める自信ができて、
今度は映画館に見に行きたいなとぼんやり思ってたところに、
たまたま読んだ新聞に映画評が載っていて、

「監督の確かな人間観察眼」
「社会への批評性」
「タフな女性」

なんてキーワードが目についたので、
「おっ!」て思って出かけたら、
見終わったあとに劇場で手にした当該作品のリーフレットに

「変態ムービー」

って書いてあった、っていう話です。

おいおーい(笑 ←ちょっと喜んでいる…?)

そんな『エル ELLE』。

や、面白かったんですよ、この変態ムービー(笑)
とっても下世話なのにとってもクールでした。

舞台は現代のパリ。
主人公ミシェル。49歳女性。
新進気鋭のゲーム会社を興した社長で、シングル(離婚歴あり)。
超高級住宅のフラットで一人暮らし。

冒頭、ミシェルに大きな災難がふりかかる。
息をのむような。顔をそむけたくなるような幕開け。
でもそれは、類い稀なるタフな女の独壇場の幕開けでもあった。

彼女の周りにはたくさんの関係者がいて、みんながみんな問題を抱えていて、彼女を悩ませ、いらだたせる。

売れない作家である元・夫は若すぎる恋人を作り、
70を過ぎた母も若いツバメと同居していて、
一人息子はいい年をして定職がない上、エキセントリックな女と結婚。
会社では若い社員たちが彼女のやり方に反発し、
露骨な嫌がらせも起きる。

そして彼女は重過ぎる過去を抱えている。
過去の影も、どこまでも彼女を追ってくる。

そりゃもう四面楚歌どころじゃないんだけど、
彼女はまったくへこたれない。
熱くもならない。
ひとりの時間に泣いたり怒ったりすることすらない。
淡々と自分のやり方で処していく。

冒頭に見舞われた「大きな災難」のあとで、
寿司のデリバリーを電話注文して、平然と「ハマチもつけて」なんて言うシーンがそれを象徴している。

耐えているわけではない。
聖人君子からも程遠い。

彼女は自分でも不倫を楽しみ(かつて)、
自慰にふけり、
若者を罰し、
男を誘惑する。
そして・・・・。

ひどい状況なのに、全然かわいそうに見えないのだ。

いろんなことを背負い、対峙しながら、
誰のせいにもせず、誰にも頼らず、かといって孤立もせず、
自分の人生を生きている。

彼女ほどじゃなくても、
大人の人生には多かれ少なかれいろいろあって、
子どものこととか親のこととか仕事のこととかお金のこととか
現実的なあれこれがつきまとってくるもので、

でも、誰に頼るも頼らないも、
どんな手段をとり、物事をどうとらえるかも、
自分次第なんだ。
誰の評価もいらない、自分の人生なんだ。

凄惨な場面、心が冷え冷えとする場面もけっこうあるのに、
いや、だからこそ?
見終わった後は、肩で風きって歩きたくなるような、
痛快な映画だった。

ミシェルを演じるのはイザベル・ユペール。
すばらしい演技でした。
この映画で、なんかいろいろ、主演女優賞をとってるらしい。

49歳を演じた彼女が実は64歳なのだと知って、二度びっくらこいた。
リーフレットによると「フランスの至宝」なのだそう。
超絶かっこいい。

ミシェルの魅力とイザベル・ユペールの魅力が相まって、
目が離せなかった。

ラストシーンは女友達と。
これ、別の映画だったら・・・また、別の見方をすれば、
この友だちこそがラスボスだったりするんだけど、違うね。

彼女もきっと、結局はミシェルの魅力の虜なんだと思う。
確たる説明はなくても、そんなふうに思えるカリスマが、ミシェルにはあった。

ほんとはね、

司馬遼太郎原作で、岡准主演、東出君が小早川秀秋を演じる『関ケ原』とか、
先入観なく見てみたら意外にいいって評判の『ジョジョ』とか、
気になる映画は他にもあったんだけど、

洋画を見たい気分だったんだ。

日本に住んで日本語でしゃべり、子どもを日本の学校に通わせ、
日本のドラマを見て日本の新聞を読んで暮らしてる。

なんか、日本人全般、特に昨今はそういう傾向にあるけど、
私自身もガラパゴスだなと思って。
中年の強い女性が主人公っていうのにも、すごく惹かれたしね。

見てよかったよ。

映画は作り物であって現実そのものじゃないけど、

「フランスの会社の打ち上げってこんな感じなんやー」
「女子はやっぱりヨガが好きっちゃね。」
「フランスでも若年層の就職は厳しいな」
「路駐天国だな、おい!」

とか、画面のいろんなとこが面白かった。

私は私の人生の、「タフな女主人公」になればいい。
そう思えたよ。





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