恐い顔の人が、恐い。

怖い顔の人が怖い。

昔から。それは育った北九州ブロンクスのせいかもしれん。
僕の回りではケンカの強い奴はそんな顔、いじめられっ子はそんな顔と、見た目がキャラを裏切ることは無かったような気がする。いまは見た目で判断するのが難しいね。インテリやくざとか真面目なラッパーとか・・・・。

いつだか立ち寄った雑貨店で「お医者様ですか?」と聞かれた。
なぜ?全身ほぼユニクロっている極貧の僕が?
ま、一部の意見で「佐野史郎ににてる」ってのがあったのでそのせいか。

話がそれたね。

小 学校の頃住んでた団地の向かいに、すげえ汚い家があった。そこのおっさん、みんなに岩石のガンチャンと呼ばれ、恐れられ、尊敬されていた。マムシ取りをし て暮らしてるだの覆面レスラーだの、どこかの国の王族をおい出されただのの噂があったが、ぼくもガンチャンは怖かった。

ある日、いつものように山で遊んでいて、僕は坂をずりおちた。
膝を激しく打ち、枝の一部が皮膚を破り、出血した。結構たらたらと。
僕は泣きながら家に帰る。しかし、母はお仕事中。
なすすべなく階段前で座り込んでいた。

そこに現れたのがガンチャンである。

「おい、怪我しちょんか?見してみろ」

無き疲れと歩き疲れでへとへとだった僕には、ガンチャンに抵抗する気力は残ってなかった。

「おーこんなんすぐ治る。でもここに石が挟まっとうけ、これはのけんと病気になるぞ。」

そんなん言われても。
きっとオキシドールをかけられてズブズブ泡が出て痛いんだろなぁ。やだなぁ。
ガンチャンは家に戻ってなんかフォークみたいなのを持ってきて、傷口の石を取り除こうとしてる。

そりゃ死ぬほど痛い。マジで痛い!と声に出すと。

「ボクサーやったらもっと痛いぞ!我慢せ!」

いやいや、僕はボクサーではないし、今後一切ボクシングなどしませんと、今なら言えるがその時は無理。必死に我慢する。
しばらくして、

「だめだなこりゃ。ごめんな坊主。俺の腕が悪かった。医者で手術してもらえ」

えええ!!!手術??
僕は目の前が真っ暗になった。

母が帰宅し、事の顛末を話すと、大急ぎでかかりつけの外科に連れて行かれた。

「先生、小石が中に入ってるらしいんで、取らないと破傷風とかになるんじゃ・・。」

先生は傷口を見て

「小石なんかないですよ。この小さいのは肉片ですね」

僕は気を失いかけた。
ガンチャン。肉をフォークで取らないで。僕の肉を。

ガンチャンはどことなくガッツ石松に似てて、このことを話したらもっと怖い目にあうんじゃないかと思って、親に「誰にも言わないでくれ」とお願いしたことは覚えてる。
僕は今でも怖い顔の人が怖い。嫌いかと言われると別なんだけど。

スポーツ選手がガッツポーズをする。
ガッツポーズはガッツ石松さんのつくったものらしい。

ガンチャンとはいつのころからか合わなくなった。引っ越したのか、死んだのか。わからないけど。
僕の住んでた団地は去年、更地になった。

 





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