【彼女たちのコトバ】 AKB総選挙(上)

AKB総選挙、毎年見ちゃいます。

これほど生々しい言葉・・・しかも若い人の言葉が次から次に聞ける機会って、なかなかないものです。気持ちをうまく言葉にできない子もいるし、敢えて隠したり演じたりする子もいるけど、それはそれで「今、その瞬間の彼女」の表現そのものなのです。

総選挙に興味を持ったのは、4年前ですか、前田敦子の息も絶え絶えな 「私のことは嫌いになっても、AKBのことは嫌いにならないでください!」 からです。その一言でAKBという世界を表していて、「ここぞという大舞台でこういうこと言えるから、1位をとるんだなあ。」と思わせる、生々しい名言でした。

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スピーチを見ていると、涙・涙で言葉に詰まったり、若い女の子ならではの自己陶酔に走る子もいますが、たいてい、まだ下のほうの順位の子です。で、そういうスピーチはネットで容赦なくdisられます。「無駄に長い」とか「作ってる」とか。

厳しい世界なのです。

反対に、上位の子のスピーチは、みんな感心するほど上手です。
「総選挙なんて公開処刑だ」 それも一理ありますが、そんな声をちょっと吹き飛ばしちゃうくらいに、何年も人前に立ち続け、集団の中で揉まれながらトップを走ってきた子たちの言葉には、力があります。

 

 

総監督、高橋みなみ、順位は4位。すでに卒業を発表しています。

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8分以上にも及ぶ長いスピーチでしたが、批判の声は聞こえません。総監督の手腕と功績に敬意を表して、もあるでしょうが、なんせ、長さを感じさせないくらいすごいんです。

「前田や大島にはなれない自分を痛いほど感じてきた」と、みずからも“凡人サイド”に立ったうえで、「がんばっても評価されないことに矛盾を感じるメンバーも多いと思います」とみんなの気持ちを推しはかります。そして・・・

 

「でもね、人生っていうのはね、きっと矛盾と戦うものなんだと思います。」

「がんばらなきゃいけないときっていうのは一瞬ではない」

 

(上位に入るのはひと握りの人だけだから)「がんばり方がわからなくなることもあると思います。でもね、未来は今なんです。今がんばらないと始まらない」

「がんばりがいつ報われるかとか、いつ評価されるとか分からないんだよ。分からない道を歩き続けなきゃいけないの。キツいけどさぁ。」

 

「でもね、誰も見てないとか思わないでほしいんです。」
この、珠玉の名言のオンパレード。
あらゆる人生に通じる、普遍の真理ではないですか。

がんばれがんばれと、若干、スポ根モノ的な暑苦しさ、ブラック企業的な危うさもありますが、「分からない道を歩み続けなきゃいけない」その不安や苦しみを、彼女は熟知しているのですよね。

そして、「それでも誰かは見てくれている」という、小さな希望を確実なものとして提示するのです。

これを、24歳の若い女性が、緩急を交えた豊かな表現力で、実に説得力をもって語れるわけです。

それはもはや、人生訓の域。彼女はよく「AKB人生」という言葉を使いますが、大げさでも何でもないですよね。10年間、ひとつの道を真剣に歩めば、人生観も作られるもんでしょう。

この、熱のこもった語り口、求心力のあるスピーチは、立派な武器です。各政党が彼女に目をつけていないはずはないでしょう。そのうち、参議院あたりに立候補して何の不思議もありません。
(つづく)





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