金曜ドラマ:わたしを離さないで:第8話感想〜命の終わらせ方〜水川あさみに涙する

息ができない。
息ができなくなった。
第8話。まだうまく飲み込めない。
息が吸えなくなったことだけが、確かなこと。

 

わたしを離さないでの世界に流れるルールは「感情を爆発させない押し殺した悲しみ」だと思っていた。

誰かのための命だとしても
大好きな人を奪われても
あなたに将来なんてないと言われても
ただ、自分はそんな運命の中に生きてるから
仕方ないからただ、1日でも長く生きたい。

夢は、叶わなくてもいい。夢を見ることが重要なんだ。

そういう世界だと、思っていた。

 

01

提供のために病室から手術室へと運ばれる美和。

叫ぶ

震える

泣く
縛り付けられても、恭子を呼ぶ。

 

恭子に叫ぶ。

感情のままに。

「いやだ」

「怖い」

「わたしを離さないで」
恭子は言う。

私たちは天使。
誰かのために命をささげる。
その崇高な任務の遂行を見てるから

 

 

自分たちのことを「天使」というしか、もう、救いはない。拠り所がない。
それ以外に、自分たちの生きてる「価値」を指し示す言葉がない。

陽光学園で校長がそう言った時
見てる僕らは「子供を騙して、命をささげることを美しい事とするなんて、ひどい」そう思った。
でも、違った。

それしかないんだ。

それしか、彼ら彼女らの人生を肯定することができなかったんだ。
陽光学園は特別だった。
介護人として生きる時間も、自由な時間も、教育も、他の提供者とは違った。

 

提供者は、ただの部品で。知性も愛情も、自分の人生の価値もわからなくてよかった。

陽光の出身者は、「臓器提供のただのパーツ」として生きる現実に苦しみ、反発し、自分の運命を呪うことができるように教育されたんだ。
自分で考えることができるように、絵を描かせ、学習させる。
そんなところだったんだ。

02

 

第7話の前半では、思い出を一つの宝箱にしまうように、三人は陽光学園跡地へ向かう。
学園は潰れ、様変わりしていた。
そこには自分と同じ顔をした子供達が、感情のない部品として育てられてた。

名前もない。臓器の「おまとめ」として。
陽光学園での幼き日々。まだ提供を知らない、子どもらしい日々。
楽しいことやツライことが、普通にある日々。
そんな毎日を大切に守ってくれてたんだ。学園は。

 

 

美和は提供を終え、命を終わらせた。

美和が幼き頃作っていた、「何かをつかもうとする、手」の塑像。
その作品は、選ばれなかった。入選しなかった。
それは、その手が求めるものが、絶対に手に入らないものだと、選別者(マダムさん)を怖がらせたからからじゃないかな。
この子は、気づいてる。
そう思ったからじゃないかな?と推測。

もうひとつ。美和が死の間際に作っていた塑像。

事故で壊れてしまったその像を、恭子は修復する。
そこには、しっかりと握られた2本の手が。

何かを求めて空を掴もうとしていた手が、今は何かをつかんでいる。

友彦と恭子の手。愛の、手。

 

でも解釈はもうひとつある気がする。

片方の手は、、美和。もう片方の手は、恭子。
美和は最後に病室で
「私はあなたになりたかった。なれないんだったら、あなたをずっとそばに置きたかった」

「私には宝箱はいらなかった。私の宝物は、箱に入らないもの」そう言った。

美和は恭子とセットなんだ。離れられない双子のような。

 

二つの魂が、握り合った手と手の塑像に象徴されてる。そんなふうに思いたい。
最後の最後くらい、自分のために生きてもいいじゃないか。
三人が、二人になった。

ただそれだけのことかもしれないけど。
本当につらいドラマ。おすすめしません。

 

基本的人権のない存在はフィクションだろうか?

私たちの命は、私たちのものだろうか?

私たちは、自分の死を、誰かに決められたりしないだろうか。

思い出しても呼吸がつらい。

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