金曜ドラマ:わたしを離さないで:第9話感想〜希望は壁の外に〜三浦春馬吠える

望みがないことは絶望じゃない。それは「無」だ。

陽光学苑出身者には、愛し合ってることを証明できれば、少しだけ「猶予」がもらえる。
その噂を信じて、美和が残した最後の切り札「陽光校長の住所」

美和を失った恭子と友彦は、そのチャンスに賭けてみる。

「ずっと絵を描き続けて。」

それにはどんな意味があったんだろう。

天使としか言えなかった先生たち。
子供を騙すためじゃなかった。
散らかされたワードが収束していく。

手の届きそうなところでぼんやりと揺らめいてる「希望の灯」。
その灯りは幻かもしれないと、恭子は思ってる。
それは彼女がまだ「提供の当事者」でないから?それとも手に入りそうな幸せは壊れていくことを知ってるから?

絵を描き続ける友彦。心の底にはさざ波のように「期待しちゃいけない」というつぶやきがよせては返す。

「夢は叶わなくても、持つだけで価値がある」

叶わなかった時のために、傷つかないための保険をかけて生きてる僕ら。でもやっぱり、夢は描くだけでも価値がある。
叶わないかもしれないけど。
そう思いたい。

わたしを離さないで

絶望とは希望を断ち切られること。

希望はあっけなく断ち切られた。そこにどんな思惑があり、どんな努力があり、どんな優しさがあろうと。

「猶予」はなかった。

夢物語だった。おぼろげに揺れていた灯が、ふっと消された。

「しょうがないよね。」

病院へ戻る車の後部座席。外は真っ暗闇。
窓ガラスに映る友彦。

本当の表情を写すのでなく、窓ガラスの顔での演技。
抑えていた感情の爆発までの演技。

三浦春馬恐るべし。

少年の頃と同じ顔で笑い、喜び、悲しむ。
いくつもの悲しみを乗り越え、臓器を取られ、友達を喪い。何十年かの薄く重なった思いが爆発する。

「もう、無理だ。」

いつも笑ってる人がいる。いつも軽く、周りを元気付けてくれる人がいる。僕はまるきりそうではない。感情の暴れ馬を乗りこなすこともできず。何の成長もなく年をとった。

いつも笑ってる人はバカかと思っていた。
でももしかしたら違う。感情のままに生きる方がバカなのかも。
悲しみも辛さも、心の中で整理して、さらに喜びを育てることができる人。心にも体にも負担がかかる生き方をしてきた人、それが友彦。

三浦春馬

何かを犠牲にしても、便利さがなかった時代には戻れない。

クローン人間のおかげで、人は病から解放され、生を全うすることができるようになった。
寿命の限り、心を持って。
喜びや悲しみを体感できるようになった。

僕らに臓器をくれる人たち。僕らの犠牲になる人たちがいる。
僕らと全く同じ外見をしてるクローン達。
でも
僕らの幸せのため、便利さのためには彼らは「心を持った人間」であってはならない。
「知らんぷりできる」存在でなければならない。

目をつぶり、見ないふりをして。
自分たちは希望を追い求める。

それはおかしいんじゃないか?彼らにも心があり、魂があるんだから。そういう意見を集約するところだった陽光学苑。

でも学苑は世の中からノーを叩きつけられ、消されていった。
この状況。今の日本とそっくりじゃない?

僕らは本当に次の犠牲者になりえないか?

犠牲者を弔いはする。一緒に悲しんだフリをする。追悼式典に出席する。
でも、僕らの便利と自由をやめようとはしない。
次に自分が犠牲になる確率は少ないと信じてるから。

「僕らと彼らは違うから。」そう思ってるでしょ?
そんなことを言われたような気がして、ハッとする。

見てる僕らはクローンではない。
誰かに未来を取られたりしない。
もちろんドラマはフィクション。作り話。
でも、今のこの時期に、こんな風に受け取れるドラマが放送されたことは素晴らしい。

僕らは犠牲者ではない。だから、見て見ぬ振りをする。
浪費し、消費し。
今日1日を楽しく、便利に暮らしていくために命を落とすものがいるとは考えない。

次の犠牲者は、あなたじゃないと。
次の犠牲者は、自分ではないと、言い切れる?

次回は最終回。希望の糸は切られ、凧はコントロールを失いどこへ行くのだろう。

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