石川竜一「okinawan portraits 2012-2016」@三菱地所アルティアム

福岡にもついに台風がやって来るという話だったけど、やっぱりわかんないもので、いたって静かな朝が来ていた。電車もバスも通常通りに動いていて、夫はよどみない足取りで出勤していった。

さあ1日、息子(幼稚園は前日に休園と決まっていたのだ)と何しようかな、と考えて、天神に行くことにした。友だちの出産祝いを用意しようと思っていたからちょうどいい。

 

天神に行ったときは、イムズの三菱地所アルティアムが何をやってるかチェックしてみる。以前、このブログアパートメントの管理人:サニーさんとも話したけど、アルティアムの展示って気軽さがいいんだよね。

福岡市美術館や、九国博物館なら、「そのために時間を作って、気持ちを準備して、そのためにその場所に行って」という作業になるんだけど、アルティアムは「天神に来たから、ちょっとついでに」って感じで見られる。
ちょっとしたお金と時間で見られるから、小さい子連れでもふらっと入りやすい。こういうのって、都市生活っぽいなーと思う。アートが近くにある。

今やっているのは、
「石川竜一 okinawan portraits 2012-2016」
だった。

 

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全然知らない人だし、写真に特別詳しいわけじゃないけど、そんなの気にしないで、気軽にふらっと入ってみた。それができるのが、アルティアムのいいとこだから。

 

結果、圧倒されてた。

 

彼が生まれ育った沖縄の、いろいろな人やいろいろな場所を写しだした写真展。

若い人も、子どもも、老いた人も、外国人も、犬も、亀も、蛇も、
写っていた。
それらの人の肌も、服も、背景の町や海や緑、部屋の中も、
昼でも夜でも、
すべて、色が濃い。

 

作為やメッセージのようなものではないんだけど、なんだか意志を感じる。
ポートレートに映し出された人々の眼差しは、見据えるようなものだったり、ふわっとしていたり、それぞれいろいろ。
だけど、見て回っていると、強い写真たちだなと思った。

 

生きてる人々が確実にそこにいて、
カメラを・・・ということは、写真を眺める私たちのほうを見ている。
侵し難い、という言葉が浮かんだ。
人も、場所も。
そこにいて、生きてる人は、どんな人でも、誰からも侵されてはいけない。

 

そこが沖縄だ、というのは、生まれ育った場所で撮った彼には自然なことかもしれないけど、見ている人間にとっては、やっぱりひとつの要素だった。
一緒に入った息子(幼稚園年長児)が、「ここ、がいこく?」と、すぐに言ったくらいに。

 

沖縄を特別な場所だと言ってしまっていいのかわからない。
本土から距離があって、気候が違い、独特の歴史や文化があるのは事実だと思う。
わずか70年前に、地上戦が行われたのも。
たくさんの基地があるのも。
だからといって、そこで、私たちの気持ちに線を引くのはおかしいのかもしれない。
でも、同じと言うのも、また傲慢な気がする。

 

難しくて、気持ちがぐるぐるする。
そういうのも含めて、圧倒された。

 

絵や写真や音楽の感想や、そのすばらしさは、うまく言葉にできない。
ライブで見たり聞いたものなら、なおさら。

生で作品を見たり聴いたりする面白さは、誰かが表現するもの、その目の前に、一人でたたずむことだと思う。

私はこの写真を見ているとき、子どもの手をつないではいるんだけども、
母親とか30代女子とか、世間でどう見られているか、どういうポジションで、どう振る舞うべきかとか、いっさい関係ない、ただの私だった。

剥き出しの表現を、剥き出しの自分で受け止める。
その自由さと、身ぐるみ剥がされたようなどこか寄る辺ない気持ち。
でもそのおかげで、普段の生活では奥に引っ込んでて、自分にすら見えない核みたいなものが出て来るのが、とてもいいんだよね。

 

やはり穏やかな午後に、子どもと手をつなぎ、首尾よく用意した出産祝いのプレゼントを持って家に帰る。洗濯ものをたたみ夜ごはんを作って家族で食べる。
そんないつもの生活を営みながらも、彼の写真がまぶたの裏に残ってる。

彼の写真と、それを見た自分の、渦巻く気持ちが。

 

©Ryuichi Ishikawa YAESE, 2014 From the series “A Grand Polyphony”

©Ryuichi Ishikawa YAESE, 2014
From the series “A Grand Polyphony”

 

●宣伝ってわけじゃないけどご紹介●

石川竜一
okinawan portraits 2012-2016
三菱地所アルティアム(天神イムズ8F)
2016年9月3日-9月25日
会期中は半券で何度でも再入場できます・・・!





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