エドワード・ゴーリーの優雅な秘密@下関市立美術館【不幸せな子供と幸せな猫】

エドワード・ゴーリーの優雅な秘密:不条理と言われるけれど

意味なく悲惨な目にあう子供たち。
表情の乏しい、ボタンを貼り付けたような顔。
偏執的に書き込まれた黒い細い線。
豪華なファーと壁紙。
不思議な生き物。

ゴーリーを好きになったのは数年前。
骸骨の絵をネットで探してて、ポップで可愛いこの作家の絵にはまった。

「MOE特別編集 エドワード・ゴーリーの優雅な秘密」を読むまでどんな生涯だったのかも知らず。マニアというわけではなかった。

でも、なんというか「不思議な甘さ」と「くすっと笑える明るさ」を感じた。
大好きな金子國義の香りと同じポイズン。

 

きっとこの人は、生きることや人生そのものにとても希望と明るさを持って生きたんじゃないだろうか?

 

そんな不思議なエドワード・ゴーリーの展覧会が下関に来る。
意気揚々と出かけた。

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下関美術館は、青空が似合う可愛い美術館。

下関美術館に着くまでに、かなり満腹に楽しいことがあって、エネルギーもエンプティ気味だったのは失敗だったけど。

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青空と心地よい風。
可愛らしいモニュメント。
そして、静かな周辺。

福岡市の美術館、博物館とはまた違う、小ぶりな箱。

でも中じゃ割と多くの人で賑わっていた。
へえ、人気者だね!ゴーリー!

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エドワード・ゴーリーの優雅な秘密:ハンドレタリングの極上の美しさ。

妻がゴーリー作品の絵本を少しずつ集めてるので、知ってはいたけど。
実際この目で見て一番は

「ハンドレタリングの美しさ」

練習者に「こんな感じで〜」と手書きのラフを送ったら「これがいい!」って言われてレタリングするようになったというような経緯が書かれていたけど。

タイポグラフィデザイナーとしても超一流なんだなあ。すごい。
技術もアイデアもあるなんて。

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僕も、20年以上「グラフィックデザイナー」だったんだけど、コンピュータでデザインするようになって手書きでレタリングすることはなくなった。
いくらアップルが「美しいフォント」を目指していても、日本語フォントはつまらない。いくらかマシになったとはいえ、大昔の写植やさんが作ったタイトル文字のバランスに到底かなわない。

子供の頃は、何でもフクロ文字にしたり、デコレーションしたタイトルを書くのが好きで、レースっぽい文字とか好きだった。

このところ「コンピュータ文字」に慣らされてきた馬鹿な頭を殴られたような気がした。
すごい!

 

エドワード・ゴーリーの優雅な秘密:悲惨な話は多いけど

無慈悲に死んでゆく子供たちをアルファベットで綴ったり、
悲しい運命の二人を無表情に描いたり。

一見悪趣味に見えるけど。
ゴーリーの描く一本一本の線は、喜びに満ちてる。
そう感じた。

きっと描きながら「ハアハア」したんじゃないだろうか?

時々は嫌になってほっぽり出して、猫と遊んだりもしたはずだろうけど。

 

カラーになったり、背景の書き込みがなくなったり、多少の変化はあるけれど、「何々期」と言われるような変革は感じなかった。

徹頭徹尾「美しい線」と「ユーモア」に満ちていた。

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暗い現実という意味からすると、現代のほうがもっとくらい。
どうしようもないと思わせられる嫌なことがびっしり。

でも、どうにもならない時に、生きる気力を再燃させるのは「ユーモア」という原始的なガソリンだと思うんだ。

ゴーリーの絵を見てると、それをすごく感じる。

 

あとはキャラクターの凄さ。

 

エドワード・ゴーリーの優雅な秘密:登場人物たちは不快な顔で。でもなぜか笑ってるようにも見える。

代表キャラクター「うろんくん」のスターっぽさを筆頭に

ファーを着たゴーリー自身や、ヒゲの紳士たち。
可愛いリボンや装飾された目の下が黒いご婦人たち。

手塚治虫のように「キャラクターファミリー」が少しづつ姿を変えて、出たり入ったり。

暗闇の中で目を凝らしてると見えてくる、ちょっと怖いけど友達になりたなあと思わせる幻影を、ポップにキッチュに図案化するというではきっと水木しげるもそうだ。

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おしゃれな若い女の子も
斜に構えたおっさんも
若さを亡くしたご婦人も
一生雨懸命頑張るけど目が出ない君も
明るいスポットライトを浴びる彼女も
日々を淡々と過ごす人たちも
エドワード・ゴーリーの世界に住んでる。

 

エドワード・ゴーリーの優雅な秘密:老眼の方はご用心

ゴーリーの描く線、一本一本を見るのには老眼鏡がいる。
僕のように近視も遠視もきつい人はメガネを取ったり外したりしなくちゃいけないので結構疲れる。

途中何度か休んで、回った。
それでも情報収集力が落ちてきたんだけど。

あとは、気持ちがハイになってる状態で物販コーナーに突入すると大変なことになるよ。
うちはこの日のために予算組みしてきたんだけど、すっからかんになりました。

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